皆さんはスエードレザーをご存知でしょうか?

革の表面が毛の繊維で起毛している革だよね?
実はこのスエードにとてもよく似た革が存在します。
- ヌバックレザー
- バックスキン
これらの革は革表面の仕上がりはともに起毛している状態なのでとても似ているのですが、
- 起毛する箇所
- 動物の種類
- 特徴
などにおいてそれぞれ異なる特徴があります。
そこで今回はこんなことがわかるように記事をアウトプットしてみました。
- 「ヌバック」と「バック」の特徴や違い
- スエード革のお手入れ方法
ぜひ参考にしてみてください。

Yoshiは靴磨き歴3年目に突入した革靴好きのアラサー男子。
靴職人になることを目指し、革のこと・靴のことを勉強しています。
ヌバックとバックの違いと特徴

スエード同様に、革表面が起毛している状態の非常に似ている革である「ヌバックレザー」と「バックスキン」。これらは実は細かな点でそれぞれ違う特徴を持っている。
革の世界は奥が深い。
ヌバックレザー

- カーフ(牛革)の銀面を起毛させた革
- スエードに比べて毛足が短い
- 堅牢性に優れた革
ヌバックは革の「銀面」を起毛させた革になります。

「銀面」というのは革の表面のこと。毛が生えている部分だね。
逆に革の裏面は「床面(トコメン)」といいます。
同じような革であるスエードは銀面ではなく「床面」を起毛させた革になります。
銀面を起毛させると毛足の短いものになりますが、これは床面に比べて銀面の方がフラットな表面のためです。
- キメが細かい質感
- サラッとした感触
といった質感の特徴があります。
また、銀面は床面に比べて丈夫な繊維構造です。そのため、スエードよりも堅牢性の高い革とされています。
バックスキン

- 牡鹿の革の銀面を起毛させた革
- スエードやヌバックに比べて毛足がより短い
- 柔軟性と伸縮性に強く、耐水性にも優れている
バックスキンはヌバック同様に革の銀面を起毛させた革になります。

ヌバックはバックスキンを真似て作られた革なので、起毛場所や見た目も似ているそうです。
毛足の長さはスエードやバックに比べてより短い傾向にあるようです。ただ、ヌバックとは見た目の判断が付きにくいほど類似しているという話もあります。
鹿の革の特徴として
- 柔らかく、伸びもよい
- 耐水性に優れている
という特徴がそのままバックスキンにも反映されています。
鹿革のデメリットとして、傷がつきやすいといった「耐久性の弱さ」があります。
そのデメリットを起毛させることでカバーするという狙いもあるようです。

原皮となるのはオジロジカの雄の皮が主流のようです。
しかし、現在ではあまり見かけないことからコードヴァン同様に希少性の高い革になりつつあるようです。
お手入れの方法

ヌバックレザーもバックスキンもお手入れについてはスエードと同じ手順となります。
難しそうにみえて、スムースレザーよりも簡単なのでチェックしておきましょう(^^♪

今回は基本のシューケアの手順を紹介!
必要なシューケアアイテム
- 馬毛ブラシ
- スエード用ブラシ
- 防水スプレー

スエードのような起毛革はお手入れがすごく簡単!なので必要な道具もスムースレザーのシューケアに比べて圧倒的に少ないです♪
①馬毛ブラシでホコリを払い出す
スエードは革表面が起毛しているので、ホコリがとても溜まりやすい革です。
なので最初は馬毛ブラシを使い革全体のホコリを払い出しましょう。
②スエード用ブラシで汚れを落とす
スムースレザーだと液状・ペースト状のクリーナーで汚れを落としますが、スエード革は専用ブラシで汚れを落とします。
ブラシの毛が「金属性」と「ゴム状」のモノがありますがどちらでも問題ありません。持ち手のあるブラシの方が使いやすいという話をよく聞きます。
気になる汚れの箇所をなでるように優しくブラッシングしましょう。

それでも取れない頑固な汚れは紙やすりで削る方法もあります。
ただ、紙やすりでのお手入れは難しいかもしれないので職人さんにお願いする方が安心です、
終わったら革表面についた毛のカスを馬毛ブラシで払っておきましょう。
③防水スプレーを噴霧
起毛しているため表面張力が強いことから比較的耐水性も高いとされるスエード革ですが、必ず防水スプレーは忘れずに噴霧しましょう。
防水スプレーの中には、スエード革専用の
- 色付きスプレー
- 油分補給も兼ねたスプレー
もあります。靴と同色のスプレーを選ぶと良いです。
④乾燥させてブラッシングで毛足を揃える
スプレーを噴霧した後は風通しの良いところで乾燥させます。シューツリーがあれば靴に装填しておくと型崩れを防ぐのでおすすめです。
スプレーが乾いたら最後に馬毛ブラシで一方向にブラッシングしましょう。
毛足が整いより仕上がりが美しくなります。
まとめ

似ているようで微妙に違うヌバックレザーとバックスキンの特徴についてまとめました。
- 革の銀面を起毛させた革(毛足の短い質感)
- 耐水性に優れる
- お手入れが簡単
- 原皮の動物の違い(ヌバック=牛皮 ⇔ バック=牡鹿)
- 耐久性
- 柔軟性
ただどちらの革もカテゴリーでまとめるとスエードに分類される同じような革です。
雨にも強いので、1足スエード状の靴を持っていると便利かもしれませんね(^^♪
終わり!!
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